『それで春華を怒らせて
自分は褒め言葉一つ上手く言えなかったのに、他の野郎まで春華を恋愛対象として見始めるし
それがめちゃくちゃ腹立って
すっげぇムカついてようやく嫉妬と独占欲だって分かった』
廉はそこでようやく
春華の腕を掴んだままだった事に気づいて手を離した
廉が掴んでいたところは軽く痕が付いていて
数分経つと痣が浮かんできそうだった
『ごめん、痛かったでしょ
…俺は春華を傷つける事しかできないのかもしれない』
「そんなことない!」
今度は優しくするりと腕を撫でてくる廉に
春華は泣きそうな顔で目の前に座り込んだ
「私は、廉君にたくさん幸せ貰ってるよ
さっきはちょっと痛かったけど、廉君が私の事好きだってちゃんと分かったもん
だから…」
そんな悲しそうな顔で
一人で泣かないで
春華の言葉に出来なかった思いは届いたのかわからないが
廉が春華を引き寄せて抱きしめたところを見ると
きっと、言葉がなくても春華の気持ちが分かるのだろう
『あー、早く大人になりたい
そんで春華と結婚したい』
「え……え……え?」
まさかの爆弾発言に
春華は意味を理解するのに時間を要した
「それって…」
『プロポーズになっちゃうね
でもまだ約束はしないよ』
廉は春華の左手を取ると
薬指だけをより分けた
『ここに、自分のお金で指輪を送れるようになるまで
予約しといていい?』
それは大人から見ると
単純な子供の口約束かもしれない
くだらないと一蹴されるかもしれない
でも
私たちは綺麗なままのものを大切にしたいんだ



