『春華?』

「はぃ?」

廉の呼ぶ声に釣られて顔を上げると



「んみゅ……ふぁ…」



…春華曰く“えろっちいキス”を

調子に乗った仕返しとばかりにお見舞いした





それは

いつになく執拗で

官能的で

背筋があわ立つような感覚がした




口の中に溜まったどちらのともつかない唾液を春華がゴクリと飲んだ後で

廉はようやく唇を離した



春華の血が巡った真っ赤な下唇から

銀色の細い糸が伸びて、ちぎれた




廉は力の抜けた春華を横抱きにしてギュッと抱え込むと


『俺が本気出すとこんなもんだけど』


と、耳元で甘く囁いた




「…参りました」


春華はそれしか言うことができず

その言葉にくすくすと笑う廉の声だけが教室に響いていた






天然彼女の考え方
(一生理解できそうにありません)