バクバクと音が聞こえてしまいそうで
私はさっと顔を反らそうとしたけれど
…それすら廉君にさえぎられてしまって
顔の逃げ場さえ失ってしまった
こ、こうなったら
ヤケですよね!…
えいっ!っと心の中で唱えて
廉君の後頭部を勢いよく引き寄せた
…少し目測がずれて
唇の端にキスしているような格好になってしまったけれど
震える私にそれを修正できるわけが無い
でも
心の隅っこで
歯が当たらなくてよかったと思ってたりする
…押し付けただけのような
それでも、精一杯の私はそっと唇を放すと
膝の上に乗せられているから同じ位置にある
廉君の顔を真っ赤になりながら睨んだ
「…廉君の馬鹿っ」
たぶん
今気を抜いたら泣く…
そんないっぱいいっぱいの私をあざ笑うように
廉君は
私がさっき廉君にしたのと同じ、唇の端に
さっきの再現をするかのようにチュっと吸い付いた
「っ~!?」
『馬鹿なんて言ったしかえし』
…廉君は
私が困ることをしているときが
一番楽しんでる気がする…



