「…お」
沈黙を破ったのは
私のほうだった
「おはよう、ございます…」
…それがその場の空気にあっていないと分かっていながらも…
『…だよね、これが春華だもんね』
なぜか遠い目をする廉君
それでもなお、後頭部の手は外れる気配が無い
「あの、廉君…」
顔が近いと思うのは
気のせいじゃないですよね?
聞こえないぐらい小さな声で呟いた言葉は
どうやら廉君の耳にしっかりと入ったらしい
くすっと笑いながら
もう片方の手で春華の髪をすくって耳に掛けると
そのまま腰へと手をまわして
「…んきゃっ!」
廉の膝の上へと丁度胸にすっぽり収まる形で引き寄せた
『可愛い声、食べていい?』
…廉君
寝ぼけているんですか?
寝ぼけていると言ってくださいっ!
春華は内心変な汗ダラダラだった



