『春華…もっと俺のこと好きになって
俺がいなけりゃ生きてけないぐらい俺に執着して
春華は俺に十分愛されてるんだから自信持って愛してよ』
廉君の本音が鼓膜を震わす
愛しさに涙がこみ上げる
「廉君ばっかり…ずるいです」
『なにが?』
「私だけこんなドキドキして…廉君余裕そうで…」
まっかっかな頬
潤んだ瞳
速い鼓動
すべてが廉によって狂わされてるのに
当の本人は涼しい顔
それが春華は気に召さないらしい
『余裕ぐらい…持たせろ』
好きな子の前で余裕ない姿なんかかっこ悪くて見せられない
そんな廉の気持ちを春華は汲み取れない
…いや、これは廉にとっても汲み取ってもらいたくないかもしれない
「ええー!…じゃあもっともっと廉君の余裕がなくなったらドキドキしますか?」
『いっつもドキドキしてるから…』
「絶対嘘ですー!!」
不器用彼氏と
天然彼女
ふたりが学校中が認める“ば”カップルと呼ばれるようになるのも
時間の問題か…