天然彼女の愛し方(完全版)




…体育館の外は
雪が降りそうなほどの灰色っぽい雲に覆われていた



「廉君!…そんな格好だと風邪ひいちゃう…」


廉君の格好は
颯太君と似たような感じで
ユニフォームの上に長袖の体操服を羽織っているだけの
見ているこっちが寒々しくなってくるような格好だった


『さっきまでアップしてたから大丈夫』

「…アップ?」

『…体動かしてたってところ』


廉君に連れてこられたのは
今日は誰もいない武道場

…いつもだったら剣道とかが練習をしているが
今日は休みらしく、人の姿は全く見えない



そこで廉君は立ち止まると
私の頭をぐしゃぐしゃかき混ぜた

「うわっ!?…何!?」

『…消毒』


???


廉君の行動は
いつも突然で分からない



『なんであそこにいたん?』


あ、やばい

これは廉君が人を怒るときの声のトーンだ



「…廉君がいないかなーと思いまして」

『俺?』


私はおろおろ目線をそらしながら
ポケットの中に手を突っ込んで例の物を取り出した


「これ、渡したかったから」


私がポケットから出したものは
紫色を基調としたミサンガ


『・・・・・・』

「あ、あの…オレンジ系はもう廉君の腕についてるし
青とか水色とかもありきたりかなぁと思って
あまりうまいとは言えないんだけど…」


よくよく考えると
こういうのって重いかな


手編みのマフラーとかも今送る人なんていないし

そういうのとおんなじような類だよね、これ…