「う…わぁ…」
いつもと違う空気が漂う体育館に
春華の呆けた声がこだまする
『春華何ボーっとしてんのよ
ここじゃ邪魔になるから2階に行くよ!』
その空気にすでに酔いそうになっている春華を引っ張って
優香は2階の観客席へ続く階段を上っていく
…事の始まりはついこの前
廉が春華に試合を見に来るかと聞いたことから始まります
まあ、試合と言っても練習試合ですが
なんせ相手の高校がバスケの有名なところらしく
練習試合でも見に来る人が多いのなんのって…
しかもそれが後4校ぐらいあって
合同練習試合のようなものになってるから
人口密度が公式試合並みに多い…らしい
(だって公式試合見たことないし)
そのせいで冬だというのに蒸し暑い
プラス、ちょっと汗臭い…
『あーっ!なんでこの学校の体育館でやるんだろ!
うちの学校のって狭いのに』
狭いせいもあって
人口密度が多いという説も…
優香はパタパタとどこからか取り出した扇子で顔に風を送りながら
座れそうな場所を探していた
「すごい…人多い…女の子多い…」
春華はまるで
お祭りではしゃぐ小学生の女の子のようにきょろきょろと周りを見渡していた
『あ、あの辺空いてるな…春華!前行くよ』
「うぇ!?…う、うん!」
優香の話を半分上の空で聞いていた春華は
引っ張られるままに着いて行った
廉君がバスケやってるとこ
見られるんだよね…
『春華?…おーい、春華ー?
…駄目だこりゃ』
自分の世界に入ってしまった春華を横目で見ながら
優香はどこからか取り出したお茶を口に含んだ



