ぎゅ
え…
と思ったころにはもう遅く
春華の腕は
俺の背中へと回っていた
ちょっ…まさか
むにっと押し付けられるのは
普段よりも柔らかく感じる春華の胸
不可抗力で襟元から見えてしまった膨らみが
ノーブラだということを確信させる
「れ…ん」
俺の頭の中で
何かがプツンと切れた
バンッ
『なめんなよ』
俺の下に閉じ込めたのは
ずっと、自分の手で閉じ込めたかった奴
ずっと閉じ込めて
俺だけが見れればいいとさえ思っていた
だけど…
「…好き…廉、君…」
…こんな安心しきった顔で寝られると
襲う気なんて無くなってしまう
『…はぁ』
そんなのんきに寝やがって
こいつは俺の心の葛藤なんか知らねぇんだろうな
たぶん
この時代じゃ珍しく
純粋な空間で育ってきたんだ
人の汚いところなんか見ずに、知らずに
俺に今、されそうになったことなんて分からずに



