みるみるうちに地面は濃い茶色へと変化していき
雨足はどんどんと強くなっていくようだった
…二人とも傘を持っていなかったため
俺らは公園の外にあった屋根つきの自転車小屋の中へと逃げ込んだ
『凄い雨だね…距離短かったのにこんなに制服濡れちゃった』
紺色の指定の制服は
いつもよりか深い色へと変色し
髪からはとめどなく雫が滴り落ち、コンクリートの地面に丸い染みを作っていった
俺は鞄からスポーツタオルを出して、春華の頭にかぶせた
『いっ、いいよ!廉君が使って!』
春華は慌てたように頭の上に乗っかったタオルを取ると
めいっぱい背伸びをして俺の頭にそれを押し付けた
俺のが使いたくない…と言う訳でもなさそうだし
あと、考えられそうなのは…
「今更遠慮なんて似合わねぇ事すんな」
お前はもう少し図々しくてもいいんだよ
そう思いながらもう一度春華にタオルをかぶせてぐしゃぐしゃにかき混ぜた
『そ、そういう訳じゃなくて…』
春華が鞄の中をごそごそあさりだしたと思ったら
フワッ
『…私もタオル持ってたんだよ』
俺の頭にタオルをかぶせると、そのまま俺を引き寄せてかがませて
頭にあるタオルを動かして拭きだした
ピンク色のキャラクターもののタオル
柔軟剤の匂いがするそれは、同時に春華の匂いもして
なんだか気恥ずかしくなる
「春華、後は自分でするから…」
言うが早いか
春華から目を背けながら引き離した
…絶対顔が赤くなってるってのに
そんな事分かっていて見せる奴はいない



