「うわ…もう真っ暗じゃねーか。」


冬馬に言われて気付いたが本当に真っ暗だ。


時計を見たら8時半だった。


「あちゃ〜、もうケーキ屋なんてやってねぇな。また今度にしようぜ。」


遠藤には悪いが今日は無理だろう。


「そうだね…。けど今日は出会いがあったから良し、だね。」


確かに。


「さてと、俺たち帰るぞ。美咲、また月曜日な。」

「うん。また月曜日。」


「えっ?美咲ちゃん、一緒に帰らないの?」


「私の家はすぐそこなんだ。」


そう、

遠藤の家は近いんだけど俺たちは電車で帰らないといけない為、大体はこの辺で別れるんだ。


「冬馬くんたちの家ってこの辺じゃないんだ…。」

小雪ちゃんが困った顔をした。


「この辺に住まないとマズイのか?」

冬馬が聞いた。


「うん…、出来ればK町に住みたかった…かな。」


「え?ここ…K町じゃないぞ。」


「え?…そうなの?」


小雪ちゃんがちょっと驚いた。


「ここはN町。…もしかして勘違いしてた?」


「うん…。じゃあ、K町って…?」


「K町は俺たちの住んでる所。」