キャッチ。



「ほ、本当に…いいんですか?」

小雪ちゃんが恐る恐る聞いてくる。


「いいって言ってんだろーが。嫌なら別に来なくてもいいけどさ。」


冬馬は冷たい口調で言った。いや、本人は別に冷たくしてる訳じゃないんだけど。

冬馬は口下手だし不器用だから、どうしてもそんな口調になってしまうだけだ。

それが災いして、初対面の人は冬馬に近付こうとはしない。


…小雪ちゃんはどうなんだろう?大丈夫なんだろうか?


「それなら、お言葉に甘えて…今日からよろしくお願いします♪」


…大丈夫みたいだ。


愛くるしい笑顔を冬馬に向けてる。


「………あ、あぁ。」


普段とは違う反応が返ってきたせいなのか、冬馬は戸惑ってる。


「良かったね冬馬くん。絶対小雪ちゃんはいい子だよ。」


遠藤がそう言った。


確かに。

まだ何も知らないけど、小雪ちゃんはいい子だと思う。

冬馬の良き理解者になってくれたら嬉しいんだけどな…。