30分ほど経っただろうか。遠藤は来ない。
「寒い…。」
まだ10月だけど今年は例年より寒かったから風が冷たい。
「あいつ忘れてんじゃねーだろうな。」
冬馬がちょっとお怒りモードだ。
「それはないだろ。道にでも迷ったんじゃね?」
「…自分の町で迷う奴なんかいねーよ。」
まぁ、確かに…。
そっから2人は黙ったままになった。
さらに30分ぐらい経った頃、
「ごめーん!!」
遠藤がやっと来た。
「風邪引いちまうよ。」
冬馬が文句を言ってる。
ってか、
横に誰かいる。
「……妹?」
冬馬もその子に気付いた。
「遠藤って妹いたっけ?」
俺の記憶が正しければいないはずだ。
「ううん…。」
やっぱり妹じゃないらしい。
じゃあ、
「「誰?」」
俺と冬馬がハモった。
俺たちの疑問に遠藤はそっと口を開いた。
「………拾った。」



