大ちゃんは地面に座り込み空を眺めてた。
あたしは大ちゃんの隣に座った。
何も話さず時間だけが過ぎる。
「…何で言ってくれなかったんだろうな。」
大ちゃんが空を眺めながら呟いた。
「一言でも言ってくれれば……俺は信用されてなかったのかな。」
「…そんな事ないよ。」
冬馬くんは大ちゃんを信用してたよ…誰よりも。
「…何となくおかしいと思う時もあった。冬馬がちょっと走ったくらいでバテる訳無いしさ…。」
「…3人で校門まで競争した時だね。」
「あぁ…。けどさ、俺はバカだから気付かなかった。何とも思わなかった…。」
大ちゃんの目からすぅっと涙が零れた。
「…最低だな俺。おばさんの言う通りさ。俺が悪いんだよ…。」
「違うよ…。おばさん言ってたよ。ごめんねって。みんな分かってる…大ちゃんは悪くないってさ…。」
「悪くなくても…悪いんだよ。」
大ちゃんは自分を責め続ける。



