「ほら、着いたぜ。」
あたしがいるのは森の前。
「…ホントにここにいるのか?」
沢村さんは疑いの目であたしを見てくる。
「…います。」
絶対いるはず。
根拠なんてないけど断言出来る。
大ちゃんはここにいる。
「まぁ、頑張りな。……おっと、これ…やるよ。」
沢村さんはそう言ってあたしに名刺を渡した。
「俺の連絡先が書いてあるからよ、困ったら連絡しな。」
沢村さんはニコリと笑った。
「…いいんですか?」
マスコミって大変なはずなのに。
「…なーに、ちょっとしたお礼さ。嬢ちゃんのおかげで目が覚めたよ。」
「え…?」
「俺自身も何とかしなきゃなんねぇ…。今からじゃ遅いかな?」
そんな事ない。
「沢村さんなら大丈夫ですよ。大切なのは相手を想う事、でしょ?」
「…はは。そうだな。まっ、お互い頑張ろうぜ。」
「はい。」



