「…ユキ!!」
奏太くんの声が町に響く。
その声であたしは現実に戻された。
小雪ちゃん…。
「あんま動かすな。あと5分くらいで救急車が来るはずだから慌てるなよ。」
必死で小雪ちゃんを起こそうとする奏太くんの肩に触れながら沢村さんはそう言った。
「…ありがとうございます。ユキ…我慢しててね。」
奏太くんは安心したのか、少し落ち着いて小雪ちゃんの頭を優しく撫でた。
「あなた達…外は寒いから家の中に入りなさい。」
騒ぎに気付いた冬馬のおばさんが手招きしてる。
「ありがとうございます。」
奏太くんはそう言って、小雪ちゃんを静かに抱えながら家の中に入っていった。
「じゃあ、救急車が来たら俺が呼んでやるよ。」
沢村さんはそう言って玄関前で待機してる。
あたしは…
見てるだけだった。



