大ちゃんの姿が見えなくなった後、奏太くんはおばさんにこう言った。
「お願いします。冬馬に会わせて下さい。」
って。
おばさんは何度も断ったけど奏太くんの執念に根負けした。
結果
なんとか冬馬くんに会わせてくれる事になった。
冬馬くんの家に上がる。
いつの間にか見慣れた家の中。
階段を上り、着いたのは冬馬くんの部屋。
カチャ…
と、ドアを開けると中から漂ってきたのは線香の匂い。
それと同時に
目に映る冬馬くんの顔。
布団に包まれてまるで眠っているような穏やかな顔。
とても死んでるように見えない。
「…冬馬。」
ポツリと名前を呼んで近付いていく奏太くん。
そっと手を伸ばし顔に触れる。
奏太くんはしばらく触れてた手を離し、思い切り床を殴った。
「…ぐっ…なんでだよ……なんで…。」
奏太くんがいくら呼び掛けても問い掛けても返事をしない冬馬くん。
必死に涙を堪えようとする奏太くんだったけど、目からはボロボロと涙が出てる。



