キャッチ。



「…体が悪かった?」


全然そんな風に見えなかった…。


「あなた達は何も気付かなかったの…?冬馬の異変に…。」


おばさんが苦しそうな顔をして聞いてきた。


「…そういえば……」


遠藤が何かを思い出したように口を開いた。


「大ちゃん…覚えてる?夏ぐらいに屋上でキャッチボールした時。」


キャッチボール?


「あの時大ちゃん、冬馬くんに向かってグローブ投げたよね…?」


グローブ…


あ…


「…冬馬、それをキャッチ出来なかった……。」


「…うん。」


思い出した…。あの時はコンタクトがズレたって言ってたけど…。


「…けど、まさか……そんな前から?」


「私たちは気付いてた…。あの子、たまに苦しそうな顔をしてたから…。」


おばさんが再び口を開く。


「けど…僕たちのせいだなんて…。」


奏太の言う通りだ。



「…かもしれない。けどあなた達のせいなのよ…。冬馬があなた達と遊んだりしてなかったら…」


「…そんな」


無茶苦茶だ…。