沈黙が続く。



「…なぁ奏太。」


長い沈黙を破ったのは冬馬だった。



「ん…?」


奏太と冬馬の目が合う。


「…この町に住むのか?」


「そうしようと思う。まだあの家は俺たちの家だしさ。」


「…そうか。なら小雪をそこに住ませても大丈夫だよな?」


「うん。大丈夫だよ。」


それを聞いた冬馬は小雪ちゃんの方を見た。


「小雪。」


「………。」


小雪ちゃんは何も言わずに顔だけを冬馬の方に向けた。


「俺の部屋にあるお前の荷物まとめてこい。」


冬馬は静かに言った。


「え……。」


小雪ちゃんは困惑してる。


「奏太の家に行くんなら俺の部屋に荷物置いといても仕方ねぇだろ。早くまとめてこい。」



冬馬は冷たい口調で言い放った。