「ふぅ…久しぶり、奏太。」
やっと冬馬は落ち着いた。
「うん、久しぶり。」
まさかこうして3人が揃うなんて夢にも思わなかった。
多分3人共同じ気持ちだろう。みんな自然と笑顔になる。
当然話が弾む。
30分くらいは喋り続けた時、俺はふと思い出した。
「あっ、小雪ちゃんは?家にいないのか?奏太が会いたいらしいんだ。」
「おー、小雪なら今遠藤と遊んでると思うぞ。もうすぐ帰ってくるんじゃねーかな?」
「…小雪?」
小雪ちゃんの名前を聞いた瞬間、奏太の様子がおかしくなった。
「…どうした奏太?」
「…ううん。」
奏太はなんか神妙な顔をしたままだ。
と、
「お、噂をすれば…だ。小雪帰ってきたぞ。」
冬馬が遠くを指差す。
その先には手を振りながらこっちへ向かってくる小雪ちゃんがいた。
「お、ホントだ。小雪ちゃんおかえり〜。」
「ただいま〜♪……………っ!!」
小雪ちゃんがいきなり立ち止まった。様子がおかしい…。
「…ユ…キ。」
奏太がポツリと呟く。



