キャッチ。


しばらく泣いた後


俺たちは空き地で暗くなるまで喋り続けた。


空白の時間を埋めるように。




奏太と話してて分かった事がある。



奏太が引っ越した理由は親の都合であって、決して自分で決めた事じゃないって事。


引っ越した先でも野球はしてたって事。

しかも故障した利き腕の左じゃなくて右でボールを投げてたとか。


あと

昔から奏太が気にしてたユキって子が、実は奏太の親戚じゃなかったって事。

ユキの両親が小さい頃に死んだ為、奏太の親戚の人が引き取ったらしい。つまり奏太と血は繋がっていない。


それを知った奏太はユキと付き合い始めたって事。

けど、お互いの両親からは反対されているらしい。


そして

その両親に嫌気がさした奏太は1人でこの町に戻ってきたという事。




にこにこ笑いながら話す奏太だけど


大変な人生を送ってたみたいだ。