言ってすぐに
後悔した。


まさか彼がこんなに素直に
私の後へと付いてくるなど
思ってもいなかったからだ。


『おねーさん、名前は?』

『歳は?』

『いま、学生?』


さっきまで落ち着いた
雰囲気をかもちだしていた
彼は思っていたより
お喋りなようだ。

答える暇もを与えない
質問攻めに私は
ため息を漏らした。


「あのねぇ、私は人間なの。そんな沢山の事いっきに答えらんないわよ。」


『ふーん、じゃあ名前は?』


キョトンとしたように
彼は問いかけた。
私より何十センチか高いであろう 身長で私を見下ろす。


「岸田カナ。19歳の大学1年。」
『ぷは、一気に答えてるし。』


そう言って馬鹿にしたように 笑われた。


「君は?」


私は少しムキになりながら
軽く彼を睨んだ。