しゃんぷー




ずっと、昔
誰かは忘れてしまったけれど、

私はこのシャンプーを貰った。



その人とは

大人になったら使うという
約束を交わした。


それから何年間も
ずっと大事にしてきた
物だったのに

それを今日
私じゃない人が先に
使ってしまったのだ。






『カナちゃーん、ご飯覚めるよ?』


その本人が
スプーンを片手に様子を見にきた。


なんの悪気もなさそうに
している郁に
私は勝手に腹を立てた。



「これ、使ったの?」


『うん、』


「‥っむかつく!!!」


『へ?』



状況を理解してない郁に
ちゃんとわからせてやろうと
私はシャンプーを指差した。



『それが、どした?』



「私の‥宝物なのっ!」




完全に不機嫌になった私は
お風呂場を後にした。