「退院してからは、

『なんでオレが生き残ったんだ』

って、そればっかり考えてた。

親にも友達にも会社にも
すげー迷惑かけて。

今、思うと本当、ガキだよ。

毎晩、フラフラ街をさまよって、

いつの間にか、
この住宅街にたどりついた。

一番高いマンションの屋上を見上げて、



『ここにしよう』


って思った時、

いろんな気持ちが
ぐっちゃぐちゃになって
カラダ中から溢れ出したみたいに


泣き叫んでた。




あの日の紗奈みたいに」






部屋の居心地のよさは、

ショウが私と同じくらい、
息を潜めて生きてるからなんだ。


痛みに耐えながら、

でも、



自分を許せずに。