病室に戻って、卓都と名前を考えていた。
どの名前がいいかな?
「綾香…んーそれだと画数が」
「画数って…;」
「画数って大事なんだよー?」
「俺さ、考えていた名前あるんだけど」
「…へ?」
恥ずかしそうに、あたしに背を向けて呟いた
「…お前の名前決めるときに、一つ候補があったらしくて…その名前がいいんだけど」
「候補…?」
要の他にも名前があったんだ。
パパ、そんな事言ってなかったのに。
いつの間に、卓都と会ってんのよ
「な、菜奈世。って名前らしいんだけど」
「菜奈世?」
「漢字はこっちの七瀬らしいんだけど、俺はこっちがいいんだ。」
そう言って、下手くそなりに頑張って書いた"菜奈世"
「…ふふっ…下手くそ」
「るせぇよ。これでも習字二級だ」
「あはは!!二級って微妙(笑)」
だけど、この字を一生懸命書いてる卓都を想像するとね。
凄く、この名前が愛しく感じるんだ。

