「過呼吸ってなストレスが原因なんだよ」
ストレス…?
「…ストレスなん…て」
「ごめん、冗談でも別れるなんて言って」
「…ううん…っ」
謝った時の卓都の表情は親に怒られた子供のようだった。
「…本当、ごめん」
「謝らないで?」
「けど、過呼吸って一回なると何回もなるって聞いたから…」
「ストレスを感じたらなるんでしょ?大丈夫、卓都が傍に居てくれたらきっともうならないよ」
そう言って卓都を優しく抱きしめた。
本当に、そう思うんだ。
卓都が傍に居てくれるだけであたしの精神は安定してる
「だから、死ぬまで一緒にいて」
卓都が居るだけで幸せなの。
お金とか地位とか無くたって幸せって言える自信がある
「死んでも離れねぇから」
「…んっ」
下からあたしの顔を覗き込んだと思うとすぐに唇を塞がれた
卓都の舌が、あたしの口内を支配する
頑張って卓都の舌の動きに合わせそうと必死になる
けど、何回してもこのキスだけはなれない
「…んっ…ふぁ…っ」
ゆっくり唇が離れる時、透明の糸が二人を繋いだ
「…やりすぎた?」
「ば…ばかっ!!」
ニヤッと笑う卓都の肩を叩いた時に手を握られた。
さっきまでヘラヘラ笑ってた癖に急に真剣な表情をするから、あたしは胸が高鳴った
「亜弥とは…もう何も無いから」
「…うん」
まっすぐ逸らさずにあたしを見つめる瞳に嘘は無いと信じた

