病室には2人。 つまり、あたしと卓都 変な空気が2人を包んでいた。 「ご…ご飯、食べる?」 わざと明るい声を出して言ったけどお弁当を探す手は震えていた。 「…要。」 不意に名前を呼ばれてお弁当を落としてしまった。 「…あ、」 小さなあたしの声が部屋に響いた 卓都の鋭い瞳があたしを捉えて離さない あたしは、あの瞳と目を合うと怖くてすぐに逸らしてしまう。 「…っ…お弁当…」 「弁当は良いから、こっち来い」 ぐちゃぐちゃになったお弁当を拾おうとすると卓都があたしの腕を掴んだ。