要side
「要ちゃん、大丈夫?」
小さな声で呟いた奏
まるで、誰にも聞かれない様に耳元で話す奏
「な、にが?」
「卓都との事」
そのあと、"隆平から聞いた"と付け足した
「まだ、話し合ってない。卓都あんなんだし…」
いつかは…しなきゃいけないけど、まだ心の準備が。
「要ちゃん…逃げたらダメ。嫌な事から目を背けちゃダメ」
あたしの心を全て見透かしているかの様な瞳であたしを見つめる
「…っ…うん」
分かってる。
分かってるけど…
「…大丈夫だから。」
あたしの頭に手を乗せて言った
「…じゃ、俺達は帰るかー」
さっきとは全く違うトーンの声でそう言うと3人はそそくさと帰って行った。

