スッと手の力が緩くなった――…
「映画だって…卓ちゃんとが良かったんだろ?」
哀しそうな表情をして言った
「ちがっ…」
「俺さ、侑ちゃんの何?無料で映画に連れてってくれる都合の良いヤツ?」
違う…よ、
そんな風に思ったこと一度も無いのに…
「遥っ…聞いて!!」
あたしに背を向けて歩き始めている遥の腕を掴んだ
「何?まだ俺を振り回したいんだ」
そう言って振り返った時の遥の瞳が冷たくてあたしは怖くて固まった
遥の…こんな瞳見たことない
何故か、あたしは泣きながら遥の名前を連呼した
「遥…遥…はる…っ…」
どうしたら…伝わるの?
分からないけど…
この手を離したらきっと元に戻れない事だけは分かる
だから…
繋ぎとめたい…
なんとしてでも…
だって…
だって…
「…好…き…っ」
なんだもん。

