「和泉!」

驚いている3人の前に、私は立つ。

驚くのも当たり前だよね…

「…何してんの、涙花」

「何って?」
「なんでここにいるの」


少し怖い和泉に、私は足が震えたけど…

もう怖くない。
だって、自分の力で、入学したんだもん。

「また追いかけてきたのか」
「まさか。たまたまよ」

「ウソつくな」
「ついてない」

そこから私たちの口げんかは始まった。

ついてる、とかついてない、とか…


まるで小学生だ。

「もうやめ。めんどくさい」


左京君が入ってこなかったら、まだけんかしていただろう。

「和泉ったら、私も同じクラスなのに、全然気づかないんだもん」
「はあ?…ざけんなよ」

「ふざけてないわ。私だって、なりたくなったわけじゃないもん」



「とにかく、話しかけてくるなよ。俺はお前と縁切ったつもりだし」

「私は…」

「お前は縁切ったつもりなくても!…俺は切ったんだ」


その言葉で、また、心が傷つけられた気がした。

…絶えられるのかな。

「行くぞ」
「おっおう」


和泉のあとを、ついていく男の子は、こちらをチラチラ気にしていたようだった。


…きついな…


「大丈夫か?羽生」
「え?」

1人残ったのは、左京くんだった。