みんな、入学式でうかれてざわついてる。

そのしゃべり声が俺を笑ってるようだ。

「うるさいな…」
 …といいながらも、皆に大声で注意する勇気もない俺。

くそ…


なんで…なんでこの俺が




入学試験3位なんだ!!


「あれ。琉雨」

「晃にーちゃん!」

俺は、あの末永 晃の弟の末永 琉雨だ。

天才なにーちゃんと、天才な弟…

天才兄弟と呼ばれるのが小さい頃からの夢だった。
 だから毎日勉強して、やりたいことも我慢して
自信持って桜ヶ丘に入った…のに!!

西川からの天才児がきちゃって…

「あら、琉雨ちゃん。入学おめでとう!相変わらず可愛い」

「恋さん!やめてくださいよ、ちゃんって…
それに、恋さんの方が可愛いです」

「ありがとう」

「やあ、3位」
…秋野先輩、痛いところつきやがって…

「え?3位?…ごめんなさいね、なんだか…」

「…いいんです」

「まあまあ」

「郁先輩!」


唯一の見方、郁先輩…大好きだ!

「なあ、晃にーちゃん。なんで俺、あの早瀬と増田と同室?増田も早瀬も…俺より成績上ジャン!しかも、早瀬!あいつ全部満点で1位だろ?」

「…彼、エイズなのよ。琉雨ちゃん」

「…え?」
エイズ…?





エイズってあの?


俺らをさんざん苦しめた…?

「っ分かってて同室かよ!!っざけんな!」

「琉雨、やめろ。¨お前だから¨任せたんだ」



俺だから?


俺だからってなんだよ…
 俺はいやだよ…

「入学式、行くぞ」





…にーちゃん