「…ここは、サッカーでも有名ですし、ランクもずいぶんと高いので、受験を決めました」

俺はあえてそういった。
…それから質問は終わり、俺の受験は終わった。

別に悪いことは言っていない。
大丈夫

「失礼しました」

ドアを閉めた瞬間、聞こえてきたのは

「和泉」



左京の声だった。
…ハ?
次の204番って…


ー…左京?!

「おまっ…え?左京?」

「和泉めっちゃおもろいわ。試験でも後ろの席やのに、本に夢中できずいてくれへんしさ。俺、やっぱり和泉と離れたくないわ。…それに心配やしな。

1人くらい、お前のことちゃんとしっとう奴、おってもええやろ?」


…素直に嬉しかった。
俺のことを¨友達¨として接してくれる左京。

「…左京、ありがとう」

俺らは互いに笑いあい、腹を一発殴りあった。


「受かれよ」
「当たり前や」

そういって、左京は面接室へと入っていった。


ー…俺、親友は1人でいいや。



ただ1人、俺の気持ちを理解してくれる奴。