涙花、今なんてー…


「っ…和泉のこと、いまでも好き。いつも一緒にいるって決めてたんだけど…。

もう、やめる。もう、追いかけない。束縛したくないし…」


そういいながら笑う涙花。



…なんでだよ、涙花。お前、いつも言ってたじゃねーか。

¨何があってもあきらめちゃダメ¨って…


いつものまにか笑っていた涙花の顔は、なきそうな顔になっていた。


二人だけの空間で、木々は揺れる。



「バイバイ、和泉。また…いつか、会おうね。そのときはお互い笑って、¨あの時はつらかったね¨っていえるようになってようよ。

このこと、思い出にしよ…?それでっ…大切な人が出来たよって…そういえるとっいいね。っ…

和泉。


好きだったよ。



さようなら」







涙を残して、涙花は俺の前からいなくなる。


風は木々を揺らし、俺を慰めている。


「はは…」

やった


やっと涙花から、離れられた。涙花は幸せになるだろう。


「…?」


口の中に広がるしょっぱい味。
下を向くと、おちてくる水。

「…なんでっ…ないてんの、俺」

…気づけば、涙は俺の手をだいぶぬらしていた。
それでもまだ、おちてくる涙。



ー…かなしい?