「涙花、お前なんで…」


悲しい顔をした涙花が草むらから出てくる。


俺は人目を避けるため、涙花の腕をとり、建物の裏へと向かった。



…聞かれた…。

せっかく後少しなのに…

台無しだ。

涙花はきっと今から願書をだして、ついてくる。

「桜ヶ丘…受けるの?」

俺は肩で息をしながら、涙花の目を、少し見る。

…もう、だませない。


「…ああ」

…俺ってなんでいつもこうなんだろう。
何もかも失敗して…



最悪だよ




「…へー。ランク高…。いくら追いかけたくても桜ヶ丘じゃ無理…」








ー...え?