俺は羽生を連れて、裏庭へとむかった。

「左京くん…何?」


小学生から一緒にいる羽生は何かと和泉の近くにいる俺に相談してきた。

バレンタインはどんなチョコがいい?…とか

何で和泉は起こってるの?…とか

軽くいやみだった。

「左京…」

「和泉と分かれたってほんまなんか?」



電車の音が鳴り響く中、羽生はただ、髪を揺らして立っていた。

「…ん」
「はぁ?…なんで別れたんよ。あんな仲良かったやろ?やのに…」

「知らない」



ポツリとつぶやかれた羽生の言葉に、俺は興奮がフッとなくなった。

予想と違う。
俺が予想してたのは¨和泉に聞いて¨か、¨何でそんなこと聞くの?¨だけ。

「…は?」

「知らない。…わかんなっ…なんで…?」

…なんやそれ。

和泉の性格だから、本当に別れたくなったら、絶対に理由を言うはず。

 それがなんで…?

「知らんて…。しかも俺に¨なんで¨言われても…」

「フラれたのは分かってる。でも、理由は分からないし、納得はいかない…」

そういって羽生はしゃがみこんで泣き出した。
そんなはずないのに…和泉はなにしてんねん…