「いきなり泣いて、ごめんね」

落ち着いた私は、一通り三人に話した。
貴由はいかりでカンカン、都と雅は呆然とするだけだった。

「ひどい…」

けれど、私は和泉がエイズだという事は伏せておいた。
もう他のクラスにも、噂は行き渡ってるかもしれないけど、なるべく、言わないほうがいいとおもう。

和泉がきっと傷つくから。

「怖いね…」
口々に三人は波に乗って和泉の悪口を言い続ける。

そんな三人のことがすきだとおもった。

私が言って欲しいことをすべて言ってくれる。
 私はホッと域をついて、三人の話を聞く。

「…ちょっと、一人にしてくれないかな?」
「え…大丈夫かよ」
「うん」


三人は無理して笑う私を気にしながら、部屋を出て行く。

ドアが閉められた瞬間、急に一人になった気がして



心が苦しいと嘆きだす。

実際に一人だ、と言い聞かせても


そういう意味じゃない、と言い張る。



そこは






和泉によって空けられた心の穴の言葉だった。



悲しくて


悲しくて


苦しくて




泣き出したくても涙が出てこない。


「ハハッ…」




もう何も感じなかった。

思うのは¨和泉¨





それだけだったー…