生きる。


…そっか。

以外と、俺は冷静に思った。
もっと、怒鳴り散らすかと思ったらそうでもなかった。

それは、俺も客観的に見ていたらー…という考えからだった。

「…わかった。俺は必要なこと以外、お前らとしゃべらない、
近づかない。これでいいだろ。
最後に…………そのこと、誰に聞いた」

「…藤木先生。¨カミングアウト¨って………」


「和泉!!」

誰がなにを言っても、なにも聞かなかった。

ガムシャラだった。
ただ、走った。

俺は、カミングアウトしろといわれたら、自分で話す。
先生がするというのならOKも出す。

だけど、今回の件については、なにも聞いてない。


許可も出してないし、ましてや、カミングアウトなんて、出さずに過ごすつもりだった。

俺はカミングアウトしていいと





先生に言ってない







俺はいったん、乱れた呼吸を整える。それと一緒に湧き上がる怒りに、蓋をする。

ーコンコン




「…失礼します。藤木先生いますか」