慌ただしく賑やかだった天空宮学園での初日も、何とか無事終了します。

「りりむんまた明日ー!」

「遅刻すんなよー!」

クラスメイトの皆が教室の窓を開けて、校庭を歩く私を見送ってくれます。

その歓声に恥ずかしいような、くすぐったいような気持ちになりながら…それでも、こういうのも悪くないなと心の中で思います。

普通に学校に通って、授業で分からない所を教えあって、昼休みには机を突き合わせて皆でお弁当を食べて、放課後には笑顔でそれぞれ下校する。

平凡だけど、私にとっては夢にまで見た学園生活。

悪魔としてこの世に生を受けた私は、こんなありきたりの事ですら、一生叶う事はないだろうと思っていました。

そんな夢の一部が、今現実になっているのです。