声援を送っていた生徒達が。

二人を囃し立てていた生徒達が。

そして刃と拳を交えていた斑鳩君と白虎君自身が。

私の歌声に気づいて次第に動きを止めていきます。

やがて学食内に訪れたのは、静寂。

乱闘の喧騒が嘘のように、学食内は水を打ったように静まり返ります。

「…駄目ですよ、喧嘩なんて」

ようやくおさまった乱闘に、私は溜息混じりに呟きました。

「同じ教室で学ぶ友達同士が、傷つけ合うなんて間違っています…自分を磨く為の切磋琢磨ならともかく…こんな不毛な争いは駄目です…」