ようやく混乱が終息し、私は先生に指示された教室最後方の席に着席します。

「……」

座った途端にチラチラと感じる視線。

クラスの生徒達が、振り返っては私の姿を見ます。

いたたまれません…。

やっぱり私が悪魔だから、ジロジロ見られるんでしょうか。

そんな事を考えていたら。

「あ、あのー…」

私のひとつ前の席の、バニーガールみたいな耳の女の子が振り向いて声をかけてきました。

兎の獣人らしいです。

「ほんとにほんとの、『あの』りりむん?」

「え…」

ほんとにほんとの…って…私の偽者なんて存在するんでしょうか。

というか、『りりむん』って…。

そんなニックネームが世間で浸透している事自体、この学園に来て初めて知りました。