知りませんでした。

彼は今、高空にいる私とミーシャさんの間に割って入っています。

という事は浮遊魔法を行使しているという事。

下平さんが魔法を使えたなんて。

「ミーシャ、君もだ」

ミーシャさんの事も、彼は知っているようでした。

クルリと振り向き、彼女を見据えます。

「…も、申し訳ありません…」

しおらしく項垂れるミーシャさん。

彼女は下平さんの事を知っているのでしょうか。

直後、ミーシャさんは驚くべき発言をします。

「冷静な判断を下すべき風紀委員の私が、感情的になった事は認めます。許して下さい…学園長先生」