燻る雷光。

火花散らす稲妻。

その強烈な雷電を。

「掌握、霧消」

男性は二言の呪文で掻き消しました。

「全く…こんな学園内で戦略級の威力を持つ魔法…いや、言霊の調べだったか…ともかく、感情が昂ぶりすぎたとはいえ、少々やりすぎなんじゃないのかい?」

まだ白煙すら上がる右手でかけていたサングラスを外すと、普段は優しげな…しかし今は少し厳しさを感じさせる眼が覗きました。

私の良く知っている眼。

私の進むべき道を示してくれた、標(しるべ)そのものの男性。

「下平さん…!?」