いかにも連れ込みそうな場所ね。



「今のって冷さん?」

バイクを止めながら聞いてきた。




「えぇ。誘拐したのは有名な暴力団らしいわ。角島さんの保護が最優先」



「ふーん」



ラックの興味がなさそうな声。
でも、きっとこの言葉聞いたら変わるんだろうな。



私はこの後のことを想像してクスリと笑った。



「ちなみに…その暴力団に依頼が入っていて殺ってもいいらしいわよ」



「へぇ~」


ラックはさっきとは違って声のトーンが上がった。



きっと顔はニヤリと笑ってるんだろうね。



『カチャッ』とラックが隠し持っていた日本刀が鳴る。




「いいね。見せてやろうじゃん。“暴力団”と“殺し屋”の違いをさ」