私は最初から1人だ。


生まれたときから、ずっと…



それに対して苦痛や悲哀はない。


それが当たり前だから。




ここ1年がおかしかったんだ。



仕方ないとはいえ、私の表も裏も知る人物が現れるなんて。



しかも、ほとんど一緒にいるなんて。



それが今なくなった。



たったそれだけのこと。



今更、寂しくもないもない。




私は迷うことなく、闇の道を進んで行くのだから。
















繁華街から路地に入りこみ
目的の建物についた。



時は夜の11時。



冷さんの情報によれば、この時間帯がある程度出払っているらしい。




「任務開始」



私はポケットから煙幕の筒を取り出して素早くドアを開けて投げ入れた。