「…月乃。なんで俺がお前を高校に行かせたかわかるか?」



冷さんは私の考えていることを読み取ったように口を開いた。



「……いいえ」



結局、3年間わからずじまいだった。



「月乃は…ずっと“自分の存在理由”を探してたよな?」



「はい」



ずっと…心の底では知りたかった。


私の存在理由を。


見つけたかった。



「世の中な…どこに何があるかわかんねぇんだ。
月乃は闇の世界で“感情”を見つけたが、存在理由がそこにあるとは限らない。

光の世界にあるかもしれない可能性だってあった。
だから、俺は高校に通わせたんだ」




・・・・知らなかった。


そこまで冷さんが考えていたなんて。



やっぱり冷さんは凄い。