「…何の用ですか?山岸先生」



振り向いた月乃の目は冷めていた。


まるっきり他人を見るような目。



「…ちょっとこっち来い」



俺はとりあえず空き教室に月乃を連れて行った。



“ガシャンッ”



扉を閉めると月乃は伸びた。



「学校での名前呼び。…相変わらず直せないの?」


呆れた感じで月乃は言う。



でも今はそんなこと言ってる場合じゃない。



「月乃!これ、どういう意味だよ?!」



俺は解約書を月乃の前に突きつけた。



「--意味ってそのまんまだよ」


少し黙って言った月乃は俺と反対に冷静だ。



「なんでっ…なんで急にこんな…」



わけわかんねーよ。