後ろを振り返るとラックはじっと私を見ていた。
「なに?」
「……いや。凄いなっと思って。
お前の“見えない武器”って…ワイヤーか?」
「…えぇ」
そう。
周りから見えないと言われている私の愛用の武器は“ワイヤー”。
細いから遠くから見るほど見えない。その割になかなか切れない特製。
扱いが難しいのが難点。
奴らの攻撃をかわしているふりをして本当はワイヤーを張っていた。
「撃たれたのに無事だったのもそれか?」
私はコクリ頷いた。
撃たれた瞬間、私はワイヤーを引いて弾の弾道をかえた。
さすがに少しハラハラしたけど。
「帰るわよ」
「あ、あぁ…」
さいわい他の奴らはいない。
逃げるなら今のうち。
「--にしても、お前は末恐ろしいな」


