目を見開いて固まっている。
まるで金縛りにあったかのように。
「それ以上、動かないほうがいいわよ」
フッとヒースが笑った。
けど、俺はいたって冷静だった。
なぜなら一瞬、キラッと光るものが見えたから。
多分、足達はワイヤーに囲まれているんだろう。
「ちょっと、何かしたの?!」
足達はワイヤーに気付いていない。
見えない何かに縛られている。
そんな感覚なんだろう、少しパニクっている。
「もう1度、聞かせてもらいましょうか。私がどうなるって…?」
ヒースは足達の前まで足をのばした。
無論、足達は必至に抵抗するがワイヤーは外れない。
「だから、動かないほうがいいて。…ほら腕、切れてるわよ」
ヒースは冷たく笑う。
確かに足達の右腕がワイヤーで切れて血が少し出ている。