なのに…足達の表情は崩れない。
「仕方ないんです。中1の国語先生も中2の理科の先生も中3の英語先生も私の気持ちを受け取ってはくれなかった。
みんな『生徒』としてしか私を扱ってくれなかった。
山岸先生…あなたのように」
再び俺の前に止まって見上げた。
「きっかけは偶然でした。
中1の時、夜遅くに家に帰ろうとしたら女性と肩を組んで歩いている国語の先生を見つけたんです。
その瞬間、私の心の中に黒い感情が生まれました。
私を振って…他の女と歩くのが許せなかった。
絶対にッ!
だから…他の女と一緒にいるなら、この世から消えてもらおうと思いました」
俺はこの話を聞いて驚愕した。
こいつ…マジでいかれてる。


