顔をあげた足達の目は…いつもの真っ直ぐした目ではなかった。
まるで…狂ったような、人を傷つけても平気であるような目をしていた。
「俺のとこにお前の刺客が来た」
「そうですか。行方不明と聞いてましたが…残念です」
足達は俺の前を呑気に歩いている。
もう、これは“教師”と“生徒”の会話ではない。
“狙われた者”と“狙った者”だ。
もしかしたら、この会話でさえ命の取引かもしれない。
「…なら認めるんだな?」
俺が足達をここに呼び出したのは真意を聞きたかったからだ。
「…はい。認めますよ」
案外、あっさりと認めた。
足達のしたことは立派な“罪”だ。
今ので十分、法律で裁ける。


