後ろを見ると肩で息をしている山岸がいた。


走ってきたみたい。




「何をしているの?今は任務続行中よ」



そう忠告しているのに山岸は私の言葉を無視して私の手元の袋を見つめている。





「…殺したのか?」


すごく切なそうな声。



山岸も変わった。


私が人を殺すのを極端に嫌がる。


だから私が人を殺す度にそんな顔を、声をだしてくる。





「――殺してないわ」


「……はっ?」


山岸は?な顔になった。




「こいつは何も吐かなかった。
だから、どこの組織か。
そして誰からの依頼かを吐いてもらうから殺してないの」



こいつをただ殺しても任務完了とはいえない。




「そうか。良かった…」